寄与分について③

(1)「共同相続人」とは

民法904条の2第1項は,寄与行為の主体につき,「共同相続人の中に」と定めています。

この規定により,寄与分を受けることができるのは,現実に遺産を相続できる資格を持った共同相続人に限られるのが原則となります。

たとえば,被相続人の子Aと被相続人の弟Bがいた場合,Aが相続人となり,Bは相続人とはなりませんので(889条,887条),BがAの遺産の維持に貢献していたとしても,Bに寄与分は認められません。

 

 

(2)代襲相続人がいる場合

共同相続人中に代襲相続人がいる場合,①被代襲者が相続人の遺産の維持・増加に貢献していたとき,代襲相続人が被代襲者の寄与を主張できるか,②代襲相続人自身が相続人の遺産の維持・増加に貢献していたとき,代襲相続人が自身の寄与を主張できるかという問題が生じます。

いずれのケースにおいても,代襲相続人は,寄与分を主張できるとするのが一般的な考え方です。

 

寄与分④では,事例をもとに,具体的な相続分についての算出を行います。

この記事は弁護士が監修しております。

東京中央総合法律事務所 弁護士 河本憲寿(東京弁護士会所属)
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