交通事故に遭った直後の対応について
はじめに
皆様は自動車やバイクの免許を持っていますか?免許を持っている方なら、いつでも交通事故に遭う危険性がありますし、免許を持っていなくても交通事故の被害者となることはあります。日常生活でどんなに注意して暮らしていても、不可抗力で交通事故に巻き込まれることもあります。
このように、交通事故は、誰でも当事者となりうるものですが、交通事故に遭ったらその直後はどのような対応をとるべきなのでしょうか。いざというときに正しく対応して後々の問題の拡大を避けるためにも今回は交通事故に遭った直後にとるべき対応について考えてみたいと思います。
1.必ず停まって警察に通報する
交通事故に遭った直後に一番大切なのは、必ず現場にとどまっていったん車から降りて、事故者双方同席のもとに警察を呼ぶことです。
交通事故に遭うと、あまりのことに驚き焦って恐怖を感じてしまったり、またはたいしたことはないだろうと勝手に判断して、そのまま現場から立ち去ってしまうことがあります。
このようなことをすると、いわゆる「ひき逃げ」「当て逃げ」ということになってしまい、後日刑事裁判にかけられて重大な刑罰(過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪、道路交通法など最高で懲役22年)に課される可能性があります。
単に事故を起こしただけの場合に比して、当て逃げやひき逃げをすると、極端に罪が重くなってしまいますので、交通事故に遭った場合には、必ず車両を停止して警察を呼びましょう。
2.具合が悪くなくても速やかに病院に行く
交通事故に遭ったとき、すぐには目立った怪我や症状が出なくても、後日になってむちうちや各種の障害が起こってくることがあります。交通事故が原因で起こる高次脳機能障害などは、注意障害や認知障害などの重大な障害を引き起こす大変な病気ですが、これも事故直後には判明しないことが多いです。
交通事故による傷害の後遺症も、後々になってからでないとその全貌は判明しません。
これらのことから、交通事故直後に一見何の不調もなさそうであっても、油断せずしばらくは何らかの症状が出ることがないか注意しておくことが必要です。
また、目立った不調がなくても、少しでも強く身体を打ったなどの事故態様であれば、念のために病院に行ってきちんと診断を受けておくことをおすすめします。
また、後々損害賠償請求をするときの証拠となりますので、何か怪我などをされた場合は、たとえそれが軽いものであっても、放置することなく必ず病院に行って医師の診断を受けておくことが必要です。
3.すぐに保険会社に連絡する
交通事故に遭った場合は気が動転してしまい、冷静さを失いがちなものです。しかし、興奮状態で相手方に接してしまうと、お互いが感情的になってしまって後々の話合いが難しくなるケースがあります。どのような事故態様であっても、冷静さを失わず落ち着いて対応するようにしましょう。
また、事故に遭ったら自己判断で勝手に動くことなく、必ず保険会社に連絡を入れましょう。示談代行サービスのついている任意保険であれば、その後の示談交渉をすべて任意保険会社の担当者が代わりに行ってくれることになります。
4. 加害者ならお見舞いをする
交通事故に遭った場合、もし自分の側が加害者であれば、やはり一度は相手方にお見舞いに行くべきです。保険会社に任せているから何もしなくていい、と考えてお見舞いの一言もない方がときどきいらっしゃいますが、このような対応をとられると被害者が余計に感情的になって話し合いができなくなることがあります。
ただし、賠償の問題などについては、自己判断で勝手に決定してはいけません。
具体的な賠償内容等については、必ず保険会社や専門家に相談して、きちんとした手続きをとってまとめてもらうようにしましょう。